様々なインターネット詐欺
インターネット詐欺と一括りに言っても、様々な内容の詐欺があります。
ソフトバンクグループの『BBソフトサービス』が発表した「2021年 年間インターネット詐欺リポート」によると、同社のネット詐欺専用セキュリティーソフト「詐欺ウォール」で昨年調査した累計総数約148.7億件のうち、ネット詐欺サイトと検知したのは、累計で3411万2000件。そのうち、一番件数が多かったのが「ワンクリック詐欺サイト」、次いで「偽物販サイト」、「フィッシング詐欺サイト」となりました。
インターネットは便利だけど、いろいろな詐欺の危険もあるんだね。
それぞれどういった内容の詐欺なんだろう。
上位3つの詐欺について、手口の違いと注意ポイントを紹介するよ。
ワンクリック詐欺
Webサイトや、勝手に送られてきた電子メール、SMS(ショートメッセージ)などに記載されているURLやボタン、画像などを一度クリックしただけで一方的に契約成立を宣言され、多額の料金の支払いを求められるという詐欺を「ワンクリック詐欺」といいます。
ワンクリック詐欺では通常の契約時に行われる法的な手続きや事前の説明を行っていないため、実際には契約成立しておらず法的拘束力も持ちません。そのため金銭の請求が行われても、支払う必要はありません。
最近は手口も多様化し、様々な入口や手法で罠が仕掛けられていますが、根本的に「ユーザーの不安感を煽り支払わせる(あるいは他の詐欺に繋げる)」手法の詐欺ですので、インターネットを利用する私たちがデジタルリテラシーを高めていくことが、一番の詐欺被害減少につながります。
▽以下記事では、ワンクリック詐欺の様々な手口と対策を紹介しています。
>ワンクリック詐欺に注意!手口と対策
フィッシング詐欺
不安を煽るなどして直接金銭を支払わせようとするワンクリック詐欺に対し、本物そっくりに作った偽のサイトを利用してカード情報や個人情報を奪う手口のことを「フィッシング詐欺」といいます。
特に多いのが銀行やクレジットカード会社などの金融機関の名を語った「なりすましメール」からのフィッシング詐欺です。メールに記載されているリンク先にアクセスすると、本物そっくりに作られた偽サイトが表示され、口座番号、カード番号、パスワードなどを入力させて、情報を奪います。
こちらも、まずは詐欺を疑い、不用意にリンクをクリックしないことが重要です。
不審なメールを受け取った場合は、メールに書かれている連絡先ではなく、その企業の公式ページで問い合わせ先を確認し、窓口に直接問い合わせるなどの慎重な対応が必要です。
▽以下記事では、フィッシング詐欺の様々な手口と対策を紹介しています。
>フィッシング詐欺に注意!手口と対策
偽物販サイト詐欺
実在する企業の正規サイトを模倣したり、連絡先等を偽った偽の通販サイト(偽サイト)を使った詐欺を「偽物販サイト詐欺」と呼びます。
「購入した商品が届かず返金もされない」「購入した商品と異なる商品(模倣品・偽物)が送られてきた」といった直接的な金銭被害のほか、「カード情報を入力したが決済完了にならない」「勝手にカードが使われている」など、クレジットカード情報やログイン情報を盗まれる被害もあります。
また、通販サイトの運営企業を装った「なりすましメール」が届き、「決済ができませんでした」「登録データに問題が見つかりました」などと促されリンクにアクセスすると、本物そっくりに作られた偽サイトで個人情報を盗まれる「フィッシング詐欺」による被害もあります。
トラブルを避けるには、悪質な通信販売サイトかどうかを利用者が判断することが必要です。
▽以下記事では、偽物販サイト詐欺の様々な手口と対策を紹介しています。
>偽物販サイト詐欺に注意!手口と対策
もしも被害にあってしまったら…
インターネット詐欺の被害に遭ったと判明したら、被害の拡大を防ぐため即座に対処しましょう。
銀行やクレジットカード会社に連絡・相談する
口座振込やクレジットカード払いをした場合、被害に遭ったと判明した時点ですぐに振込先の金融機関やクレジットカード会社に被害の連絡をして対応を仰ぎましょう。
口座情報やクレジットカード情報を盗まれた場合も、不正利用がされていなければ、口座の凍結やカードの利用停止などで事前に不正利用を防ぐことができます。
各種サービスのログイン情報を入力した場合は、パスワードを変更する
偽サイトでログイン情報を入力してしまった場合は、すぐにパスワードを変更しましょう。すぐに対処しないと、不正にログインされてしまい、住所、電話番号、カード番号などの重要な個人情報を盗まれる恐れがあります。
複数のサービスで同じパスワードを使用していた場合は、すべてのサービスでパスワードの変更が必要です。
地元警察や消費生活センターに連絡・相談する
取引時の画面、相手とやり取りしたメールの内容、相手の口座番号、振込記録など、取引相手に関する資料を手元に用意し、居住地を管轄している地元警察署に連絡してください。
被害の相談が必要な場合は、国民生活センターまたは消費生活センターに連絡すると親身に相談に乗ってくれます。
●一般社団法人全国銀行協会公式サイト
…金融犯罪に遭った場合の各銀行の相談・連絡先
●都道府県警察サイバー犯罪窓口
…具体的な被害に遭った場合に連絡
●消費者ホットライン(188 ※全国統一番号)/各地域の消費生活センター
…商品やサービスなど消費生活全般に関する苦情や問合せ、相談
まとめ
もしインターネット詐欺にあってしまった場合は、すぐにパスワード変更をして、銀行やカード会社、警察のサイバー犯罪相談窓口、消費生活センターなどの窓口に相談しましょう。速やかに対応することが、詐欺被害を最小限に留める可能性を高めます。
また、詐欺にあわないよう普段から対策し、情報の真偽を確認する習慣を身につけておきましょう。インターネットを利用する私たちが、デジタルリテラシーを高めていくことが、一番の詐欺被害減少につながります。
インターネット詐欺に対する知識を身につけて、冷静に判断・対処することが重要だ。